ジャパニーズウイスキー投資入門:なぜウイスキーは値上がりするのか?

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

1. 本記事の目的

本記事では、なぜウイスキーは値上がりするのかについて解説したいと思います。実は著者は10年前からジャパニーズウイスキーを愛飲&コレクションしているため、最近のジャパニーズウイスキーの高騰には驚かされています。

結論として、ウイスキーは金と同じ特徴を持っているため、需要が上がれば値上がりします。加えて、ジャパニーズウイスキーは需要が高く、中国からの需要も含めてウイスキーの中でも需要が高いのです。その結果、最近ジャパニーズウイスキーは値上がりしています。しかし、ジャパニーズウイスキーと言っていいのかわからないウイスキーも存在しますので、注意しましょう。

2. ジャパニーズウイスキーとは?

ジャパニーズウイスキーとは、世界の五大ウイスキーの一つである日本で製造されたウイスキーのことです。

世界の五大ウイスキーは、アイルランドで製造される「アイリッシュ」、スコットランドで製造される「スコッチ」、バーボンで有名なアメリカで製造される「アメリカン」、カナダで製造される「カナディアン」そして「ジャパニーズ」です。

ジャパニーズウイスキーは、ニッカ創業者である竹鶴政孝氏がスコットランドで学んだウイスキー技術をもとに京都の山崎の地で始められたのが起源と言われています。

ジャパニーズウイスキーは飲みやすい物が多いと個人的に感じており、特に富士山麓の「樽熟原酒50度」は味の割には安くて愛飲しておりました。

ジャパニーズウイスキーの銘柄代表として、サントリーの「山崎」「白州」、キリン(2503)の「富士山麓」、アサヒ(2502)の「ニッカ」、イチローズモルトの「モルト&グレーン」等が挙げられます。

3. ジャパニーズウイスキー値上がりの理由

そんなジャパニーズウイスキーですが、最近は非常に高騰しております。約10年前は山崎12年のボトルが3,000円くらい出せば購入できたのですが、今は15,000円くらい出さないと買えません。最近話題となったニュースとしては、サントリーウイスキーが「山崎55年」を100本限定300万円で抽選販売しておりました。

なぜ、ジャパニーズウイスキーは値上がりするのでしょうか。

理由の一つとしては、資産としての金に近いという特徴が挙げられます。金の特徴として、「①埋蔵量が限られている」「②保存ができる」「③需要が高い」の三つが挙げられます。この特徴をウイスキーは、「②保存ができる」以外の部分を満たしております。「②保存ができる」という部分も、永遠ではないものの、他の酒と比較して圧倒的に保存がききます。そういった点で、資産としての金に近いと言えるのです。

さて、金ですが、最近値上がりしております。

上のグラフは金上場投資信託の株価推移ですが、直近の株価が高騰しております。これは、コロナウイルスにより不安となった投資家が、安全資産である金に群がった結果と言えます。ここまで需要が上がっても金の供給自体は変わらないため、経済学的に考えると価格は上がっていくのです。

これと似た現象が、ウイスキーにも表れているということです。ウイスキーの需要は、世界的に伸びております。特にジャパニーズウイスキーは海外のコンペで受賞することが当たり前となっており、世界的に評価が高いです。国民の所得が上がってきた中国での需要が増えており、ジャパニーズウイスキーを大量に購入しているというニュースもあります。とは言えウイスキーの蒸留量は限られているため、結果としてジャパニーズウイスキーは値上がりしているのです。

4. 偽物のジャパニーズウイスキー?

ジャパニーズウイスキーは基本的に美味しく、価値のあるものですが、「本当にジャパニーズウイスキーなのか?」と首をかしげたくなる代物もあります。

現在の日本の食品表示基準では、最も多く使っている原料を最初に記載する必要があります。しかし、酒類は適用外なのです。それを利用したウイスキーを販売し、炎上している業者もあります。

例えば、2016年に話題を集めたのが、松井酒造が製造、販売するウイスキーである「倉吉」のニュースです。倉吉はラベルに「メード・イン・ジャパン」、「倉吉蒸溜所」と製造元を明記している一方で、輸入原酒も使用している状況でした。そのため、「倉吉」は本当にジャパニーズウイスキーなのか?という指摘がウイスキーファンから相次いだのです。

その指摘に対し、松井酒造がWebサイト上で反論し、炎上したのです。

【参考】週刊東洋経済 米国「焼酎ウイスキー」を笑えない日本の現状

著者も一度飲んだことがありますが、あまり美味しくありませんでした。こうしたウイスキーに関しては、評判が低いため購入しても値上がりしにくく、投資としては適しておりません。

5. まとめ

結論として、ウイスキーは金と同じ特徴を持っているため、需要が上がれば値上がりします。加えて、ジャパニーズウイスキーは需要が高く、中国からの需要も含めてウイスキーの中でも需要が高いのです。その結果、最近ジャパニーズウイスキーは値上がりしています。しかし、ジャパニーズウイスキーと言っていいのかわからないウイスキーも存在しますので、注意しましょう。

U-Mapでは、お仕事の依頼を承っています。
詳しくは、こちらから!

上場している日本の航空企業は、どこが一番辛いのか

中小企業診断士というは本当に食べていけないのか?

関連記事

  1. サンリオ(8136)の株価低迷の理由:ビジネスモ…

    1. 本記事の目的本記事では、ここ数年常に業績が下がり続け…

  2. カカクコム(2371)が展開する食べログの事業戦…

    1. はじめに本レポートは、企業間で業績格差があるグルメサイト業界…

  3. クラウドファンディングとは?投資結果と感想

    1. 本記事の目的本記事では、本サイトの管理人であるhk5が201…

  4. 倒産企業分析シリーズ:レナウン

    1. 本記事の目的本記事では、2020年5月15日に民事再生法を申…

  5. リカレント教育時に使える!社会人大学院生ならでは…

    1. 本記事の目的本記事では、社会人から社費や自費で大学院に通って…

  6. 実は最強の株主優待株!?SBIグループの戦略と株…

    1. 本記事の目的本記事では、金融のコングロマリッド企業であるSB…

  7. コロナ禍の大化け株候補の考察

    1. 本記事の目的本記事では、コロナウイルスによるテレワークの盛り…

  8. 神姫バス(9038)のMaaS戦略

    1. 本記事の目的本記事では、MaaS事業に力を入れ始めた…

最近の記事

ツイッター

プロフィール

プロフィール

このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。
PAGE TOP