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目次
1. 界アルプスとは
界アルプスは、星野リゾートが運営する旅館の一つです。雪国のアーケード「雁木(がんぎ)」に沿って両側に客室や温泉棟が建ち並び、アルプスの絶景と雪解け水をたたえた川を望みます。掘りごたつで温まり、囲炉裏のもてなしに安らぐ滞在を楽しめます。
大きな特徴としては、囲炉裏の設けられた土間にて信州のディープな田舎体験ができます。囲炉裏を囲んで信州名物のおやきや焼きりんご、燗酒を味わったり、独楽やお手玉などの昔遊びを楽しめます。
アクセス
私は、長野駅から無料のシャトルバスを利用して訪れました。ユメリアバスパークから出発します。
2020年12月4日~2021年4月10日ご宿泊の期間限定でJR長野駅・JR信濃大町駅からの無料送迎バスが運行されています。
中は非常に広々としており、一時間半という長い移動時間も快適です。
2. 利用したプラン
今回利用したプランは、三名の和室を「ひとり旅」プランで予約しました。もちろん、星野リゾート系列の宿泊で一番の楽しみである夕朝食付きです。全て込みで31,720円のプランでした。
界ブランドには、「ひとり旅」という一人には嬉しい割引プランがあります。最大30%も割引されます。それでも高いのですが、他の方とのご都合が合わず、一人で温泉を楽しみたい方には非常におススメのプランです。このプランの注意点は、44日先の日付までの予約しかできない点です。
界ブランドの特徴としては、チェックアウトの時間が遅いということが挙げられます。12時チェックアウトです。ちなみに、チェックインは15時ですが、早く行きすぎても部屋に入れません(アーリーチェックインのオプションはあり)。
もう一つ「界」ブランドの良い点としては、一つの施設におけるお客さんの総数が少ないことです。そのため、お風呂や食事もゆったりと楽しむことができます。
また、界ブランドは施設ごとに値段が大きく異なるという点があります。ダイナミックプライシングなので値段は季節ごとにことなりますが、紅葉の時期に訪れた界加賀は約5万円かかりました。ちなみに界津軽と界鬼怒川は約4万円でした。
3. アルプスのサービス
ご当地楽
星野リゾートの「界」では、その土地ならではの魅力を楽しめるよう特別なおもてなしである「ご当地楽」が用意されています。
界アルプスのご当地楽は「囲炉裏でディープな田舎体験」です。古くから家の中心に囲炉裏があったように、界アルプスでも団らんの場所として囲炉裏が用意されています。
時間によって、さまざまな催しものがあります。まず、15時から17時までが、黒豆茶とお茶請けが振舞われます。今回のお茶請けは野沢菜の漬物でした。
19時から21時15分までは、「ちろりで熱燗」と「お汁粉・小豆かいろ」です。
ちろりという容器に日本酒をいれ、熱燗をつけます。いくらでも飲んでよいので、酒好きにはたまりません。
自分好みの温度まで温めたら、ゆっくり楽しみましょう。ちなみに、部屋にもちこむこともできるそうです。
お汁粉も美味しいです。お汁粉のお餅は、外に干されています。
朝の6時半から7時までは、「おめざがゆ」です。熱々のおかゆが振舞われます。目が覚めます。
トラベルライブラリー
旅館の受付横には、ゆっくりくつろぐことができるトラベルライブラリーが設置されています。トラベルライブラリーとは、ご当地の歴史や文化、自然、工芸にまつわる本から旅情を盛り上げる物語まで、ずらりと並んでいる場所です。
こじんまりとしていますが、シックな雰囲気で落ち着いてます。
また、無料のドリンクが常時置いてあります。コーヒーマシンの他に、ウォーターサーバーやティーパックが常備されており、24時間いつでも利用することができます。
ティーパックは三種類もあります。さすが星野リゾートです。
窓際には机が用意されており、電源も用意されています。新聞もあるので、まさにゆっくりする場所と言えます。
囲炉裏
ご当地楽が行われる囲炉裏です。囲炉裏では昔と変わらない穏やかでゆったりとした贅沢な時間が流れます。滞在中、何度でも足を運んでいただきたい界 アルプスの特別な場所です。
大浴場
大町温泉郷の湯は、北アルプスの麓に位置する湯量豊富な秘湯・葛温泉からの引湯です。アルプスの山々からもたらされた、約400年の歴史を持つ大自然の恵みの湯を堪能できます。
湯上り処
雁木の道に面した湯上がり処には、ご当地のお茶やミネラル分を補給できるお飲みものなどが用意されています。ゆったりと湯涼みのひとときをお過ごしいただけます。
飲み物はそば茶としそリンゴ酢です。美味しい!
もちろんアイスキャンディーもあります。
かまくら
かまくらもいくつか用意されています。是非は入ってみてください。
温泉いろは
冬景色に染まった大町温泉郷を散策しながら、従業員の方が様々ないろはを教えてくれます。
アメニティ
界アルプスのアメニティです。部屋には乳液からローションまで、スキンケア商品が一式揃っています。また、ヘアゴムや櫛、カミソリ、歯ブラシも部屋に無料でついております。タオル等を持ち運ぶ際に使う風呂敷もおしゃれです。
部屋着として。作務衣や上着があります。寝巻を持っていかなくてもリラックスできますね!二つとも押し入れに入っております。
他の施設と異なる点は、靴下が非常に分厚いという点です。お陰で脚が暖かく過ごすことができました。
ウェルカムサービス
部屋に到着すると、くるみゆべしが用意されています。これは売店で購入することができます。
冷蔵庫には、他の界と同じく無料のお水と有料のお茶とアルコール類が格納されています。お茶は210円、ビールは440円です。
ドリップコーヒーは無料で飲むことができます。
4. 界アルプスの部屋
今回私が宿泊したのは、「信州もてなし和室」です。客室棟の1階に位置する、3名様まで泊まれるツインタイプの部屋です。
広々としたリビングに飾られたきりえのアートフレームは、地元きりえ作家・柳沢京子氏による作品。信州の自然をモチーフとしており、各部屋ごとに違うデザインが用意されています。
ベッドもゆったりと配置されています。
玄関とベッドサイドには木の葉をすき込んだ松崎和紙のやわらかな灯りがともり、くつろぎの時間を演出します。
お風呂やトイレも流石星野リゾート、綺麗で清潔です。アメニティも非常に充実しています。もちろんドライヤーも完備されています。
トイレも綺麗ですね。
シャワーは相変わらずガラス張りです。
机の下にはしっかりと電源が用意されているため、パソコン仕事も部屋で行うことができます。
5. アルプスの食事
界アルプスでは、会席料理を楽しむことができます。信州の大地と清流に育まれた食材を使った目でも舌でも楽しい和会席です。信州の食の恵みをお楽しみいただけるお料理です。
夕食
界でのお食事は、半個室の部屋で楽しむことができます。
お酒の種類も多いです。
まず、飲み物を決めます。自分はまず「氷河Lager」というビールを頼みました。近くの信濃大町駅で作られたビールです。温泉いろはで聞いたのですが、大町の水はモンドセレクションに選ばれるくらい素晴らしい水だそうで、このビールにはその水が使用されています。
本当に美味しいです。すっきりとした味のなかにしっかりと麦の味が広がります。続いて日本酒も頼みました。純米吟醸の白馬連峰というお酒です。
お品書きは下の写真の通りです。山の幸と海の幸がバランスよく提供されます。全部めちゃくちゃうまいです。
長野の名産はワサビということで、生のワサビが提供されます。自分で擦り、様々な料理につけたのしむことができます。コツは「の」の字を書くように擦るそうです。辛くて美味しいわさびでした。
特に界アルプスの料理は、派手な見た目と繊細な味付けという感じです。
一つ一つの食事に異なった器が使われています。盛り付けも綺麗にされており、五感で食事を体験できます。色味も綺麗ですね。
メインは小皿に乗った八寸料理とお造りです。
界アルプスの刺身は、他施設の刺身と比較しても本当に美味しいです。まず馬刺しがあること時点で珍しく、ご当地の信州サーモンも提供されます。なによりイワナの刺身が非常に美味しく、川魚なのに全く臭みがなく、感動するくらいの食体験を楽しめます。
炊き込みご飯は、その場で従業員さんが作ってくれます。今回は湯葉と三つ葉、しめじの炊き込みご飯でした。
色も綺麗ですね。ひとり旅の場合は二人前のご飯を用意してもらえますが、すぐに感触してしまいました。
デザートは、リンゴとシャーベットです。山わさびが入ったヨーグルトソースをかけて楽しみます。
朝食
界アルプスは、他の界と比較してもご飯が美味しかったです。特に朝食が絶品でした。朝食のテーマは、「塩の道」だそうで、昔近くにあった千国街道で塩を中心とした海の幸や山の幸の商売が多く、塩の道と呼ばれていたそうです。そのため、朝食では海の幸と山の幸がバランスよく提供されます。
信濃ゴールドという品種のリンゴを使用したリンゴジュースが、目覚めの一杯となります。
何よりも米の炊き方が丁寧です。他の施設では柔らかすぎるお米が出されていたこともありましたが、界アルプスの米の炊き方はちょうどよく、見事でした。
何より美味しかったのが、この味噌汁です。過去食べた味噌汁の中で一番おいしかったです。使用食材は、ニラ、油揚げ、ねぎ、なめこ。しめじ。大根、豆腐と多岐にわたります。
お米はおかわりできるので、大食いの人も安心です。
6. その他
売店
界アルプスには、こじんまりとした売店があります。お酒はビールや日本酒が販売されています。
泉獄寺
星野リゾートのすぐ横には、泉獄寺という小さなお寺があります。
総合的な評価としては、食事や施設の回遊性、従業員のホスピタリティ、ご当地楽の豊富さ、それをとっても素晴らしく、「界」ブランド屈指の名旅館であると言えます。自分もいつかまた訪れてみたい場所です。