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目次
1. オリックスへ、投資家としての提言
オリックス(8591)の株価はなぜ上がらないのか?財務分析編
オリックス(8591)の株価はなぜ上がらないのか?株式分析編
※2020/7現在はコロナ禍で一時的に株式市場が変動しているため、分析には2019年3月期の指標を使用しております。
財務分析編ではオリックスの財務指標は概ね良好であり、特筆すべき課題が見つかりませんでした。また、株式分析編では残余利益による理論株価算定やコングロマリットディスカウントの検証等により、株価が非常に割安に放置されているとしました。二つの視点からの分析結果より、投資家の立場としては、オリックス株を買うと判断します。
この章では、財務が良好であるにも関わらず株価が冴えないオリックスの株価上昇のための施策を、一投資家の立場として提言させていただきます。
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2. 株主優待制度の廃止および配当性向の向上
株式分析編で指摘した通り、ニューヨーク証券取引所に上場しているオリックス株の外国人株主にとって、日本独自の株主優待制度は株主平等の原則に反するため、株式の魅力を下げていることになります。事実として、オリックスが株主優待を導入した2015年3月期以降も、株価は上がっておりません。そのため、株主優待制度の廃止および配当性向の向上を株主として提言します。具体的な施策は、現在実施しているカタログギフト5,000円分のコストを全て配当金に回し、年間の配当を1株あたり126円とする。この施策により、配当性向は50%となり、配当利回りが7.93%となります。この数値は、投資家にとって非常に魅力な数値であると考えられ、株価の向上に寄与します。
3. 金融事業と投資事業の分社化
株式分析編で述べたとおり、展開する事業が多いことによりオリックス株にはコングロマリットディスカウントが発生しています。そのため、投資家としては投資事業と金融事業の分社化を提案します。具体的な施策は、法人金融、メンテナンスリース、リテールを金融会社の事業とし、不動産、事業投資、海外事業を投資会社の事業とすることであります。これにより、シナジーの減少を小さく抑えつつ、コングロマリットディスカウントの解消を目指し、株価の向上に寄与すると投資家の立場としては考えます。ただし、本提言を採用した場合、分社化するため現在の株価と単純比較することは不可能です。
4. 結論
以上2つの提言の実施は、株式分析で挙げた主な課題を解消し、保有しているオリックスの割安な株価を向上させると考えます。
しかし、オリックスの株主優待は投資家にとって非常に魅力的であり、比較的安定して保有してもらえる個人投資家の増加は株価の安定につながります。
これからもオリックスの株主還元の行方に注目していきたいです。
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