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目次
1. 本記事の目的
本記事では、日本企業において女性役員はなぜ増えないのかついて考察を行います。結論として、年功序列制度および女性に対する差別的な偏見は、女性役員の数を抑制しています。加えて、日本企業において女性役員や管理職が少ないという問題は日本の経済発展を阻害する一つの要因であり、早急に解決する必要があると考えられます。
2.日本企業の現状
日本企業における女性の役員は中々増えません。国際労働機関の報告書によると、日本企業の役員に占める女性の割合は3.4%です。G7の平均値が約23%であるため、日本の数値は先進国の他国と比較して非常に少ないです。
安倍政権はこの数値を問題視しており、男女共同参画基本計画で、2020年までに女性役員比率を10%にすることを目標としています。しかし、実際の女性役員比率は到底達する見込みがありません。このことは、経済大国かつ文化的に進んだ先進国である日本に、キャリア面で未だに男女差別があるということを浮き彫りにしています。
3. 女性役員が増えない根本的問題
政府が問題視しているのにも関わらず、日本企業において女性役員が増えないという問題には、二つの根本的問題があります。
一つ目は、日本企業の年功序列制度です。この制度は、出産や育児により一時期職場を離れることが多い女性にとって、著しく不利に作用します。このことは、日本企業の管理職に占める女性の割合が12%とG7で最下位であることが示しています。女性の管理職が増えないのに、女性の役員が増えることはまずないと言っていいでしょう。
二つ目は、結婚や出産時にすぐ女性が仕事を辞めてしまうという差別的な偏見があるということです。確かに、厚生労働省の調査では、採用10年後の総合職の離職率が男性37%に対し、女性が約60%となっています。私はこの数値の原因が企業側にあると考えています。なぜならば、女性が仕事を辞めてしまう理由は、性別どうこうでなく、日本企業が個人のライフスタイルに合った働き方を提供しないからです。
女性は結婚や出産時に、精神面や体調面の影響で大きくライフスタイルが変わrます。しかし、現在の多くの日本企業がその他社員と同じ条件での働き方を全社員に求めるため、女性は仕事を辞めざるを得ません。優秀な女性が辞めることは、日本の女性役員が少ない問題に直結します。
4. 女性役員を増やすための改革
優秀な社員の条件に男女という性別の違いは全く関係ないと私は考えます。そのため、日本企業において女性役員や管理職が少ないという問題は日本の経済発展を阻害する一つの要因であり、早急に解決する必要があります。
例えば米カリフォルニア州では最低一人の女性取締役を選任するよう法律によって義務付けました。しかしこれは根本的問題の解決にならないのです。
問題の解決のために、私は二点の改革を日本企業に提案します。まず一つ目は、人事評価における年功序列制度を廃止し、成果主義制度を進めることです。会社の勤続年数が長い人ほど仕事ができる訳でないため、人事評価は全て個々人の成果と連動させるべきです。この制度により、優秀な女性が復職した後に出世の階段が閉ざされることはなくなります。
二つ目は、多様な働き方を認めることです。具体的には、長期間休職できる制度やテレワークができる環境を整えることです。現在の日本企業では、休職の条件に勤続年数などを設けていることが多く、長期間の休暇の取得が非常に難しいのです。誰もがいつでも長期間の休職を取得できることは、休むという選択肢が今より一般的となるため、ライフスタイルの変化による優秀な女性の退職数を抑止する効果があります。
5. まとめ
以上、上で挙げた二点の改革を行うことにより、日本企業の女性役員が増え、日本の経済発展に寄与すると私は強く訴えたいです。男性女性問わず優秀な人が一定数いると考えると、今の日本企業の現状は人材活用の観点で非常にもったいないです。
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