MaaSアプリ利用調査:Kyyti

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1. 本記事の目的

世界には多くのMaaS(Mobility as a Service)アプリがあります。
MaaSアプリとは、現在地から目的地までの移動手段を一括で表示できるものとなります。

今までは、電車の乗り継ぎは路線案内のアプリを使用し、レンタカーを借りた場合はカーナビゲーションからの指示で目的地まで向かっていました。しかし、これでは最適化された移動手段やルートがわかりませんでした。そのため、利用者の利便性を考え、日本でもMaaSアプリが続々とリリースされると考えております。

今回は、フィンランドの都市郊外や地方部を対象とした「Rural MaaS(ルーラル マース)」に取り組む「Kyyti」を取り上げ、利用方法を調査してきました。

2. Kyytiの概要

Kyytiのシステムを活用したマイクロトランジット「Kollibri」の車両(出典:Kollibriホームページより転載)

「Kyyti」は、都市郊外や地方部を対象とした「Rural MaaS(ルーラル マース)」に取り組むべく、小売等のパートナー企業のブランド名でアプリを展開するホワイトレーベル戦略である。

最大の特徴は、Kyyti Rideと呼ばれる乗り合い交通のシステムを交通事業者に提供していることです。Kyyti Rideは、専用のバン(9〜12人乗り)を活用したデマンド型の乗り合いサービスで、バスとタクシーの中間に当たるマイクロトランジットと呼ばれます。

フィンランドで2012年に行われた公共交通機関の規制緩和を契機に、柔軟な価格設定でインターネットにて予約可能なフィンランド初のバスサービスである「ONNI BUS」が前身です。「ONNI BUS」の普及率が飽和状態となり、フィンランド国内でこれ以上の事業成長が望めなくなったため、MaaSサービスである「Kyyti」が立ち上がりました。

【参考】次世代ビークルの世界

【参考】小売りはMaaSでどう変わる? 先進フィンランドの新構想

3. Kyytiの評価

Kyytiは前述のとおり、パートナー企業のブランド名でアプリを展開するホワイトレーベル戦略をとっています。そのため、Kyytiというブランドで展開するアプリのダウンロード数は1万件以上に留まります。評価も3.1と高くありません。

Kyytiのマイクロトランジットは、フィンランドのポルヴォー(ヘルシンキから50キロメートル離れた人口約4万9000人の地方都市)や、ロビーサ(同80キロメートル離れた人口約7000人の小都市)で、「Kyläkyyti」(キラキーティ)というブランド名で各地に展開しています。また、スイスのブルック(チューリッヒから40キロメートル離れた人口約1万人の小都市)でも、「Kollibri」(コリブリ、ハチドリの意)の名でマイクロトランジットを展開しています。 どちらもKyytiがアプリをホワイトレーベルで提供し、マイクロトランジットを核にしながら地域の交通機関をマルチモーダルで利用できるMaaS環境を実現していると言えます。

ダウンロード数はMaaSアプリでは最大の5,000万以上です。本アプリは2021年までに10億人の利用者獲得を目指しています。また、評価も87万件のレビューで星4.5と、非常に高いです。

日本では、東京都と稚内市、山梨県、静岡県の都市に対応しています。サポートしている公共交通機関は、東急バスと国際興業バス、関東バス、西東京バス、山梨交通グループ、宗谷バス等です。

4.Kyytiの初回起動動作

グーグルの分析レポート(一部抜粋)

利用規約とプライバシーポリシー(PP)への同意を行います。

メールアドレスを入力します。

入力したメールアドレスに認証メールが送信されます。

入力したメールの受信箱に届いたメールより、認証を行います。

5.Kyytiのメイン画面

位置情報が反映されていない状態の画面が表示されます。まず、オレンジ色のボタンを押します。

位置情報の許可を行います。

GPSを利用した現在位置が表示されます。
利用情報の確認したい場合は右下のボタンを押下します。

利用情報確認画面では現在利用中と過去、新しく買ったサービスの利用情報を確認できます。

6.Kyytiの経路選択方法

枠線内を押し、「Choose on map」を選択します。

マップをスライドさせ、現在地を探します。対応している都市はフィンランドの一部都市のみです。

目的地で「CONFARM MAP POINT」ボタンがオレンジ色に変わったら、ボタンを押下します。

目的地も現在地と同様に選択します。

現在地から目的地への候補一覧が出てきます。

モビリティごとの所要時間等、経路の詳細を確認できます。

開始時間の選択も可能です。

その他経路情報(自転車等利用時)も確認可能です。

6.Kyytiのその他画面

キャンペーンコードの入力画面があり、地方の小売業等とクーポン等のタイアップ活動を行っていることが推測されます。

メイン画面の左上の設定ボタンを押下すると表示されます。

名前や電話番号の登録ができます。

キャンペーンコードの入力画面です。

支払方法の登録画面です。支払方法はGoogle Payとクレジットカードのみとなります。

以上、kyytiのアプリ利用調査でした。個人的な感想としては、現在地の決定と目的地の決定の挙動がブレることがあり、非常に使いにくかったです。

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プロフィール

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このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。
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