日本の性活を支えるコンドーム:オカモト(5122)と相模ゴム工業(5194)の分析

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1. 本記事の目的

本記事では、日本のコンドーム業界を支えるオカモト(5122)相模ゴム工業(5194)の株式を分析します。

結論として、新型コロナウイルスの流行は、国内市場のインバウンド需要を押し下げるため、二社にとっては逆風となる一方で、世界的に見ると新型コロナウイルスの流行によりコンドームの需要が増加しているため、将来的な市場の成長余地はある程度見込まれると考えております。加えて、二つの理由によりオカモト株より相模ゴム工業の株式を推奨します。

2. オカモトの概要

【参考】オカモトのIR

オカモトは、東証一部に上場している産業用プラスチックフィルムメーカーです。法人向けでは文具や建材、壁紙、自動車内装材など幅広い用途向けに展開しており、消費者向け製品ではコンドーム、衛生用手袋などが主力となります。実は、オカモトのコンドームの売上は、全体の約35%程度に過ぎません。売上の大半は法人向けとなります。

コンドームの主力製品は「水系ポリウレタン製コンドーム」と「天然ゴムラテックス製コンドーム」の二つです。
水系ポリウレタン製コンドームは透明感があり、表面がなめらかなだけでなく、温もりが伝わりやすい製品です。天然ゴム特有の臭いがなく、ラテックスアレルギーの心配もありません。
天然ゴムラテックス製コンドームは伸縮性に富み、装着した際には柔らかくフィットします。薄さ、サイズ、色のほか、パッケージデザインなど豊富なラインアップを用意しています。

オカモトの業績は、売上高は過去6年間微増傾向ですが、営業利益や経常利益がやや落ち込み気味です。これは、消費者向けの事業というよりは産業用の利益の落ち込みがかなり響いているようです。

3. 相模ゴム工業の概要

【参考】相模ゴム工業のIR

一方、相模ゴム工業は東証二部に上場している、ポリウレタン製を中心とするコンドームの大手製造会社です。医療用ゴム・ポリウレタン製品や介護用品などのヘルスケア製品、食品用包材フィルム等、産業用の製品も扱います。商品供給体制および経営基盤の安定化のため、設備投資を積極化しています。オカモトと異なり、相模ゴム工業のコンドームを中心としたヘルスケア事業は売上全体の75%を誇ります。

コンドームの主力製品はポリウレタン製の「サガミオリジナル」と「天然ゴムラテックス製コンドーム」の二つです。ポリウレタン製のコンドームの特徴として、ゴム特有の臭いが無いことや熱伝導性に優れること、天然ゴムアレルギーの方にも使用できる点が挙げられます。

相模ゴム工業の業績は、売上高は順調に漸増している一方で、ここ二年の利益は伸び悩んでいます。これは、設備投資を積極化によるコストの増加が主因とみられています。コンドームを中心としたヘルスケア事業自体は非常に好調であるようです。

4. 二社の外部環境

この二社の共通点として、国内市場のインバウンド需要に大きく左右されるという点です。ドラッグストアにお勤めの方ならお分かりでしょうが、観光客からの日本製コンドームの人気は凄まじいものがあります。新型コロナウイルスの流行は、国内市場のインバウンド需要を押し下げるため、二社にとっては逆風となります。

一方で、AFP通信のニュースでは、新型コロナウイルスの流行によりコンドームの需要が増加していると発表しています。そのニュースでは、インドでは全人口13億人に対して外出禁止が発表された後、コンドームの売り上げが1週間で25〜35%増になったと報じられています。世界的に外出制限が続いていることから、今後もコンドーム需要は増加していく見込まれます。

5. オカモトより相模ゴム工業を推奨する理由

私は、二つの理由によりオカモト株より相模ゴム工業の株式を推奨します。

まず一つ目は、コンドーム製造の事業の売上に占める割合がオカモト株より相模ゴム工業の方が高いからです。オカモトの過去6年の売上や利益の推移をみて貰えれば分かる通り、産業用の事業は年度によって非常にブレが大きく、リスクが高いのです。加えて、外部環境で述べた新型コロナウイルスの流行によるコンドーム需要の増加という増加を受けるのは、コンドーム事業の売上割合が高い相模ゴム工業の方が有利なのです。

二つ目は、相模ゴム工業の上場している市場が東証二部であるということです。日本の株式市場では、他の市場から東証一部に昇格した場合に株価が跳ね上がる傾向があります。最近の事例でいくと都築電気(8157)が良い例です。都築電気は相模ゴム工業と同じく東証二部の上場しておりましたが、東証一部に昇格することが発表されたことで一時ストップ高となりました。なぜ、東証一部に昇格すると株価が上がるのかと言うと、流動性の改善やファンドへの組み入れ等が理由とては挙げられます。相模ゴム工業は時価総額等でまだ東証一部昇格の要件を満たしていませんが、その要件を満たすことは可能であると私は考えています。

以上二つの理由により、オカモト株より相模ゴム工業の株式を推奨できるのです。

6. まとめ

結論として、新型コロナウイルスの流行は、国内市場のインバウンド需要を押し下げるため、二社にとっては逆風となる一方で、世界的に見ると新型コロナウイルスの流行によりコンドームの需要が増加しているため、将来的な市場の成長余地はある程度見込まれると考えております。加えて、挙げた二社でいうと、二つの理由によりオカモト株より相模ゴム工業の株式を推奨します。

なお、補足として、オカモトおよび相模ゴム工業はEC通販でのチャネルが弱いため、その課題を克服することが世界市場でさらに売上を伸ばすカギとなりそうです。

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このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。
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