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目次
1. 本記事の目的
本記事では、以前から「父さんの会社が倒産した」のようなダジャレでもよく使われているけど、結局どういうことか良くわからない「倒産」の定義について、わかりやすく説明したいと思います。
2. 倒産とは?
実は、日常的に使用する「倒産」という言葉は、法律用語ではありません。これは、信用調査会社の帝国データバンクが使用を始めた言葉であり、一般的に「企業経営が行き詰まり、弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態」を指します。具体的には、以下に挙げる六つのケースのいずれかに該当すると認められた場合を「倒産」と定められています。
①銀行取引停止処分を受ける
②内整理する(代表が倒産を認めた時)
③裁判所に会社更生手続開始を申請する
④裁判所に民事再生手続開始を申請する
⑤裁判所に破産手続開始を申請する
⑥裁判所に特別清算開始を申請する
次の章より、順番に開設を行います。
3. 銀行取引停止処分を受ける
銀行取引停止処分とは、同一の手形交換所管内において、6カ月以内に2回、支払手形や支払い小切手の不渡りを出した者に対して、取引停止処分日から起算して2年間、当該手形交換所に参加している銀行等との当座勘定や貸出の取引が停止されることです。「不渡処分」や「取引停止処分」とも呼ばれます。
要するに、支払うと約束していたお金を払わないということを二回行った場合に、銀行取引停止処分となります。
4. 内整理する
企業が支払不能または債務超過で債務を弁済できない状態に陥った場合に、法的手続きをとらずに債権者等と話し合い、債務減免などで、内々に整理を行うことです。
お金は充分にあるけれど、後継ぎがいないために事業をたたむ場合は内整理の選択をとる会社が多いです。
5. 裁判所に会社更生手続開始を申請する
会社更生手続きとは、会社更生法に基づく裁判手続きです。会社更生手続きは、株式会社のみが利用できます。無担保債権者のみならず担保権者や株主の権利をも制約し、更生計画で減免することが可能であります。また、合併、減増資等の会社の組織再編行為も簡易に行うことができます。ただ、株式は全て無価値になり、通常はスポンサーが新たな株主となります。
日本での有名な事例では、日本航空やPHS通信事業者のウィルコム、消費者金融業の武富士が挙げられます。
6. 裁判所に民事再生手続開始を申請する
民事再生手続きとは、民事再生法に基づく裁判手続きです。民事再生手続きは、無担保債権者の権利のみを制約するため、再生計画でカットできるのも無担保債権だけです。会社更生手続きと比べると、手続きの効力が弱い反面、低廉かつ迅速な中小企業向きの手続きといえます。
日本での事例では、スカイマークやエアバックのタカタ、最近ではレナウン等が挙げられます。
7. 裁判所に破産手続開始を申請する
破産とは,自分の収入や財産で支払わなければならない債務や借金等を支払うことができなくなった場合に、自分の持っている全財産をお金に換えて,各債権者に債権額に応じて分配や清算を行い、破綻した生活を立て直すことを目的としている制度です。 会社が裁判所に破産の申し立てを行うと、裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人は、裁判所の監督のもと、会社の財産を売却し、集まった金額を法律で決まっている優先順位に従って債権者に支払って、会社や事業を清算します。
破産は、一般人だけでなく会社等の法人も行うことができるのです。
8. 裁判所に特別清算開始を申請する
特別清算とは、会社での解散決議を経て通常の清算手続を行っている株式会社において、清算の遂行に著しい支障を来すべき事情又は債務超過の疑いがある場合に、利害関係人の申立てにより開始される特別な清算手続です。
破産と比較して異なる点は、利害関係人の申立てにより開始することができる手続である点です。
いかがでしたでしょうか。一言に倒産と言っても、様々なパターンがあることを覚えておくと、今後どこかで役立つかもしれません。
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