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目次
1. 本記事の目的
本記事では、火力発電や風力発電、原子力発電等の発電方法別に、発電所を保有する企業の上場株をまとめました。
現在、電気業界では脱炭素化の機運やRE100等により石炭や石油を使った火力発電が、安全面上の理由で原子力発電が矢面に立たされています。そのため、企業がどういう発電所を有するかまとめることで、皆様の投資等でお役に立てれば幸いです。
※著者のリサーチ情報のため、誤った情報等あればご連絡ください。
2. 電気業界の発電方法に関するトレンド
電気業界の発電方法に関するトレンドは、大きく分けて二つあります。一つ目は、環境に対する配慮です。環境に対する機運は異常気象の発生等で世界中で高まっており、二酸化炭素を多く排出すると思われている石炭火力発電等には厳しい目が向かっています。特に環境省が取り組む「RE100」は企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブであり、機関投資家がESG投資を行う際の一つの指標となります。
【参考】CSR活動とESG投資 上場企業はなぜCSR活動を行うのか
二つ目は、安全に対する配慮です。福島第一原発を事故を起こした日本はもちろんのこと、世界中で原子力発電に対する目は厳しくなっております。実は原子力発電は環境に優しい発電方法であると言われていますが、人々は安全面も重要視しているようです。
3. 主な発電方法①:火力発電
火力発電の基本的なしくみは、燃料を燃やしてお湯を沸かし、その蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電力を発生させます。石油やLNG、石炭が燃料として使用されています。
火力発電では、燃料を燃やす際にどうしても排気ガスが出ます。このため化学物質の排出量の低減や熱効率を向上が図られていますが、環境保全という面では他の再生可能エネルギー等に劣ります。
火力発電所を有する上場企業(主企業のみ)
4. 主な発電方法②:太陽光発電
太陽光発電は、半導体で使用されるシリコンという素材を組み合わせ、太陽光などの「光」を当てることで発電する方法言います。以前は発電効率が低かったのですが、最近では徐々に発電効率を高め、バッテリーを組み合わせて家庭用電力を賄えるレベルにまで達している商品もあります。
発電時に二酸化炭素を排出しないため、環境に優しい発電方法として注目しています。しかし、素材の製造時に必要なエネルギーが多く、パネルを廃棄する際のごみ問題や景観問題等、多くの問題点を抱える発電方法でもあります。
ちなみにメガソーラーとは、発電規模が1,000kW以上の大規模な太陽光発電システムによる発電所を指します。
太陽光発電所(国内メガソーラー)を有する上場企業 ※単体保有のみ
5. 主な発電方法③:風力発電
風力発煙は、風車に風を送ると、風車が回転します。その回転エネルギーを発電機に直接伝えて電気を起こす発電方法です。
風力発電は、運転時にCO2などを出さないクリーンな発電方法です。加えて、製造時の環境負荷も少ないと言われており、低周波音や風切り音が響いても大丈夫な空き地と一定の風がある場所なら設置できます。しかし、発電効率とや騒音、野鳥保護などの観点から問題からあります。
最近では、政府肝入りで日本の洋上で発電する洋上風力発電の実現が進められています。
風力発電所を有する上場企業
※今後参画予定
6. 主な発電方法④:水力発電
水力発電は、水が高いところから低いところに落ちる高速・高圧の水の流れで水車を回し、発電する方法です。水力発電は自然エネルギーを利用するため、電力需要への変化に対応しにくい発電方式です。しかし、現在では水をせき止める方法だけではなく、汲み上げる等の方法も行うなど、さまざまな水の利用方法を行い、電力需要の変化にも対応しています。
水力発電は、運転時にCO2などを出さないクリーンな発電方法です。加えて、山が多い日本ならではの発電方法でもあります。最近では、小さい川や用水路でも発電する小水力発電も存在します。
水力発電所を有する上場企業(出力15万kW以上)
7. 主な発電方法⑤:原子力発電
原子力発電はウランを核分裂させて熱エネルギーを得て、水を沸かし蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こす方法です。
特徴は、発電段階においてCO2を全く排出せずに大量の電力を安定して供給することができることです。加えて、使い終わった燃料を再処理することにより再利用できることです。一方、安全面で放射線の慎重な管理などが必要です。
原子力発電所を有する上場企業
※建設中
その他、バイオマス発電や地熱発電もありますが、今回は省略させていただきます。
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