グルメサイト業界を取り巻く環境

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

1. 本記事の目的

本記事は、最近コロナウイルスで苦境に立たされている、飲食業界の一つであるグルメサイト業界を取り巻く環境について調査しました。

グルメサイト業界を取り巻く環境のトレンドとしては、大きく分けて四つあります。この記事では、グルメサイトのビジネスモデルを確認した後に、トレンドを順番に見ていこうと思います。

2. グルメサイトのビジネスモデル

グルメサイトのビジネスモデルは、上記の通りになっております。主な収入元としては、飲食店の店舗からの店舗有料掲載費および送客手数料、広告会社からの広告料、個人顧客からの有料会員費となります。

3. グルメサイト業界は成長傾向

BtoCにおける飲食サービスとは、インターネットを使用した飲食店のx予約のことを指します。2017 年の飲食店のネット予約推定額は4,502億円と、対前年比で 36.8%という大幅な伸びを示しており、市場規模は数年で急拡大していると言えます。

業界の特徴としては、実名制での口コミを武器に2010年に創業したRettyが月間閲覧数で業界4番手となるなど、新規参入が比較的容易であると考えられます。

【参考】経済産業省:平成29年度電子商取引に関する市場調査

4. 厳しい飲食店経営

帝国データバンクの調査によると、2017年の飲食店の倒産件数は707件で過去最多でした。倒産は前年よりも150件増加(26.9%増)し、負債総額は359億1900万円(34.1%増)です。外食ジャーナリストの中村芳平氏は「大手企業が客単価の低い業態を積極的に出店しているため、価格競争についていけない個人経営の飲食店が倒産している」と説明しております。さらにコロナウイルスの発生により、顧客の外食意欲が低減しているため、厳しい状況です。人件費の上昇に加え、グルメサイトの手数料等も小規模な飲食店の収益を圧迫しており、経費削減の対策が必要となります。

【参考】帝国データバンク:外食関連業者の倒産件数推移

5. 深刻なフードロス問題

飲食店の無断キャンセルを表す言葉である「No show」が飲食業界全体に与えている損害は、年間で約 2,000 億円 とも言われています。通常の予約のうち、1日前、2日前に生じるキャンセルも加えるとその発生率は6%強に達し、被害額は約1.6兆円 にも及ぶと推計されています。この対策としては、実名による予約によるNo showのペナルティ制度を設ける等が考えられます。

【参考】経済産業省:No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート

6. 口コミの信用不安

グルメサイトに投稿された一般ユーザーの口コミの内容については、「信用できる(5.8%)」、「ある程度は信用できる(41.9%)」と肯定的に考える飲食店は全体の約50%です。一方、口コミは「あまり信用できない(16.3%)」、「全く信用できない(5.8%)」と否定的に考える飲食店は全体の約20%です。飲食店の口コミ不信は顕在化しており、グルメサイトは対策を迫られております。

【参考】クックビズ総研:「飲食店の7割が活用!気になるグルメサイト利用実態と口コミの信頼性」

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プロフィール

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このサイトを運営しているhk5です。
1991年生まれ、東京生まれ東京育ち。
都内の某私立大学を経て、某シンクタンクの支社決算業務の主担当として従事。 3年半勤務後、某コンサルテインングファームでAIプロジェクトの企画書作成、某金融機関のチャットシステム実装のPMO、某政府系組織のシステム企画の要件定義等を経験する。
現在、都内の某国立大学院で経営学を学習中。加えて、大学院と提携しているコンサルティングファームと協業し、将来の公立病院の経営戦略をテーマにレポートを執筆中。
また、中小企業診断士として、週1~4程度の頻度でベンチャー企業の業務を手伝い、新事業企画の立案や収支シュミレーションの作成等、パワーポイントを中心とした資料作成や市の融資相談員を行っている。
趣味は星野リゾートと離島巡り。日本中回りたいと思っている。
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