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目次
1. 界出雲とは
界出雲は、星野リゾートが運営する旅館の一つです。なんと、全客室に露天風呂を備えた宿です。食事はのどぐろを中心とした海の幸がふんだんに使用されており、非常に美味しいです。
また、界出雲が位置する玉造温泉は「出雲国風土記」にも記されるほど、古くから美肌の湯として知られており、なめらかな湯が特長です。
アクセス
私は、玉造温泉駅から徒歩で訪れました。大体1,600mくらいの距離なので、徒歩でいうと20分くらいです。駅前にはタクシーも結構います。
河沿いをとことこと歩きます。多分春先は桜が綺麗です。
ひたすら北へ歩いていくと、右手に界出雲の看板が現れます。
到着です。玄関口が広々としています。
2. 利用したプラン
今回利用したプランは、信楽焼露天風呂付き和室を「ひとり旅」プランで予約しました。もちろん、星野リゾート系列の宿泊で一番の楽しみである夕朝食付きです。全て込みで45,580円のプランでした。界の中では結構高い方です。
界ブランドには、「ひとり旅」という一人には嬉しい割引プランがあります。最大30%も割引されます。それでも高いのですが、他の方とのご都合が合わず、一人で温泉を楽しみたい方には非常におススメのプランです。このプランの注意点は、44日先の日付までの予約しかできない点です。
界ブランドの特徴としては、チェックアウトの時間が遅いということが挙げられます。12時チェックアウトです。ちなみに、チェックインは15時ですが、早く行きすぎても部屋に入れません(アーリーチェックインのオプションはあり)。
もう一つ「界」ブランドの良い点としては、一つの施設におけるお客さんの総数が少ないことです。そのため、お風呂や食事もゆったりと楽しむことができます。今回の旅行でも、食事と大浴場以外では他の顧客とあまり会うことがありませんでした。特に界出雲は客室数24室しかないため、予約が難しいようです。
また、界ブランドは施設ごとに値段が大きく異なるという点があります。ダイナミックプライシングなので値段は季節ごとにことなりますが、紅葉の時期に訪れた界加賀は約5万円かかりました。ちなみに界津軽と界鬼怒川は約4万円でした。
コスパ的におススメなのが、界アルプスです。ご当地楽が非常に充実しており、ご飯もお酒も全て美味しいです。この界アルプスは、大体35,000円でした。
界日光は、「界タビ20s」という若者には嬉しい激安プランを利用しました。これは、20代限定のプランで月~木曜日限定で予約できます。1泊2食付で一名当たり 19,150円で宿泊できる最高のプランです。
3. 界出雲のサービス
ご当地楽
星野リゾートの「界」では、その土地ならではの魅力を楽しめるよう特別なおもてなしである「ご当地楽」が用意されています。
界出雲のご当地楽は「神楽」です。神話を身近に感じていただける大迫力の舞となります。ヤマタノオロチが出てくるのですが、かなり迫力があり、普通に面白かったです。
同時に動画配信も行っているそうです。21時15分から15分程度でした。本来はもう少し長いそうです。
トラベルライブラリー
旅館の受付横には、ゆっくりくつろぐことができるトラベルライブラリーが設置されています。トラベルライブラリーとは、ご当地の歴史や文化、自然、工芸にまつわる本から旅情を盛り上げる物語まで、ずらりと並んでいる場所です。
他の界と比較すると狭いです。ただ、自然を眺めながらゆっくりすることができます。
また、無料のドリンクが常時置いてあります。コーヒーマシンの他に、ウォーターサーバーやティーパックが常備されており、24時間いつでも利用することができます。
ティーパックは三種類もあります。さすが星野リゾートです。
そして星野リゾートは生姜を推しており、生姜のパウダーや生姜ゼリーがどこもかしこも置いてあります。ただ、生姜ゼリーは永遠に食べれるほど美味しいです。
ここでもらったコーヒーやゼリーは、どこへでも持ち運ぶことができます。
今回は3月に訪れたため、ひな壇が飾ってありました。
本も沢山置いてあります。
大浴場
界出雲の大浴場は、男女それぞれ広々としたつくりです。湯口から流れ出る玉造温泉のお湯に身をまかせて「神の湯」をご堪能ください。開放的な気分でゆったりと入浴できる、野趣あふれる露天風呂もお楽しみいただけます。
ただ、部屋にそれぞれのお風呂がついているので、いつもよりは大浴場の利用は少なかったです。
湯上り処
湯上がり処では、ゆずレモン水とはま茶が置いてありました。相変わらずここのドリンクは質が高いです。
はま茶は独特でした。
もちろん、お約束のアイスキャンディーもあります。ただ界出雲は他の界とラインナップが異なっており、抹茶味やチョコ味がありました。抹茶は美味しかったです。
ウェルカムサービス
部屋ではお菓子が用意されています。
アメニティ
界出雲のアメニティです。部屋には乳液からローションまで、スキンケア商品が一式揃っています。また、ヘアゴムや櫛、カミソリ、歯ブラシも部屋に無料でついております。タオル等を持ち運ぶ際に使う風呂敷もおしゃれです。
部屋着として。作務衣や上着があります。寝巻を持っていかなくてもリラックスできますね!二つとも押し入れに入っております。
ドリンクサービス
冷蔵庫には、他の界と同じく無料のお水と有料のお茶とアルコール類が格納されています。お茶は210円、ビールは440円です。
水は無料です。
ドリップコーヒーは無料で飲むことができます。持ち帰りもできます。初期も豊富な種類が置いてありました。
4. 界出雲の部屋
今回私が宿泊したのは、二階の「信楽焼露天風呂付き和室」です。10帖の本間と3帖の次の間からなる部屋です。
次の間にはゆったりとくつろげるソファをご用意しています。窓の外には木々の緑が広がり、日常の慌ただしさから心が解き放たれていきます。
布団は夕食時に敷いてもらえます。
お風呂やトイレも流石星野リゾート、綺麗で清潔です。アメニティも非常に充実しています。もちろんドライヤーも完備されています。トイレはシックかつ綺麗ですね。
浴室ですが、相変わらずガラス張りです。
客室露天風呂は信楽焼。バルコニーにしつらえられた湯船に身をゆだねて、心地よい風が頬を撫でていく癒しのひとときをお楽しみください。
後述しますが22時までお酒を無料で楽しめる機会がありますので、日本酒を飲みながら部屋の露天風呂で過ごすという贅沢な遊びができます。
本当に贅沢なひと時を過ごすことができ、大変満足でした。
5. 界出雲の食事
界出雲では、会席料理を楽しむことができます。旬の食材を使用し、見た目も鮮やかな季節の会席料理が楽しめます。先付けののどぐろをはじめとする、地元ならではのお料理をお楽しみください。
なお、のどぐろの他にも島根にある穴道湖はしじみの名産地であり、スープや蒸し料理にして堪能することができます。特に朝のしじみ汁は身体に染みました。
夕食
界でのお食事は、空間を贅沢に使ったモダンな食事処で楽しむことができます。
お酒の種類も多いです。界出雲では日本酒を推しており、ペアリングセットなんかもあります。
また、ワインの品ぞろえも多いです。
日本酒は昼に飲み過ぎたため、今回はビールにしました。写真の「ビアへるん」は松江のクラフトビールで、非常に濃厚でコクのある見事なピルスナーでした。
お品書きは下の写真の通りです。のどぐろや蟹、昆布といった海の幸がふんだんに使用されています。
界出雲の料理は、とにかく上品という感じです。ただ味付けは薄くなくちょうど良いため、老若男女が楽しめる料理だと思います。
東京とかで食べると本当に高いのどぐろが普通に出てきます。脂がのっておりもちろん美味しいです。
メインは小皿に乗った宝楽盛りの八寸料理とお造りです。お造りは左からサザエ、ボッカ、ホウボウです。サザエはコリコリしていて美味しかったです。
天ぷらも本当に美味しい。食器もおしゃれですね。
帆立も出てきます。
牛時雨煮の炊き込みご飯です。どこの牛かは教えていただけませんでした。
今回特に推したいのが、酒かすを利用したデザートです。甘過ぎないため、いくらでも食べられそうです。
朝食
界出雲は、夕食よりも朝食が主役です。特にのどぐろの干物、シジミ汁、うず煮が絶品でした。
目覚めの一杯は、リンゴと生姜のジュースです。
お米の炊き方も固めで、非常に自分好みの味でした。特にシジミの味噌汁とのどぐろの干物は感動ものです。
そしてさらに美味しいのが、うず煮です。うず煮とは、出雲大社の「福神祭」で、祭りに関わる人たちにふるまわれる料理で、「ふぐ」が使われています。
ご飯の上にスープをかけ、シジミの佃煮等をかけてお茶漬け式にして食べるのですが、フグの出汁がしみ込んでおり、これがとにかく美味しいです。
是非皆様にも食べてほしいです。
6. その他
売店
界出雲の売店は、お土産ものやお酒、お菓子といったものがバランスよく並べられておりました。
もちろん日本酒もあります。
日本酒BAR
「日本酒BAR」とは宿泊者の方限定で島根県内の酒造の個性豊かな日本酒が楽しめる場所です。日本酒の他にも県内の様々な窯元から集めたお猪口や、地元松江のおつまみ専門店「おつまみ研究所」のおつまみ等、島根ならではの空間をご用意しております。
とてつもない品ぞろえですね。
おつまみも豊富です。
面白い名前の日本酒もあります。
ざっと見ただけでも、大体36種類以上置いてありました。
コロナウイルスの影響で、今回は部屋からのみの注文となりました。下の写真のような用紙で注文します。今回は三種類選べるセットと、八塩折の酒セットを選びました。八塩折の酒とは、出雲神話に記載される伝説のお酒で、それを再現したとのことです。
各セットに一つずつおつまみをつけることができます。
四種類並ぶと壮観ですね。おつまみはハタハタ浜焼きとドライいちじくを頼みました。
八塩折の酒は、日本酒の古酒のような味わいでした。意外に美味しかったです。
お茶室 蛙瞑庵
界出雲では、日本庭園に面した茶室にてお抹茶と和菓子でおもてなしがあります。みごとなお庭です。
庭園を活かすため、2007年に社長の星野さんがリニューアルを決めたようです。
なお、名前の由来は、建設の際に蛙が鳴いていただからそう。
勾玉の形を模したお菓子もいただくことができます。
お点前を披露するのは、松平不昧公の流れを汲む三斎流の亭主です。
掛け軸も立派でした。
美酒処
大浴場の入口付近には、「美酒処」があります。
ここでは、日本酒を利用した顔のパックが楽しめます。
まず。升にお酒を入れます。温泉をブレンドしても良いそうです。そのあと、パックの素を浸します。
5分から10分くらい待つと、広がってきます。
パックを広げたら完成です。お肌がつるつるになります。美肌になって帰りましょう。
総合的な評価としては、客室や温泉の泉質、ご当地楽、サービス、食事と全て非の打ち所の無いレベルの高さで、予約が取れない理由がよく分かりました。またいつか再訪したいと強く感じる、そんな宿でした。