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目次
1. 本記事の目的
自動運転技術の開発が世界で進んでいます。自動運転技術を採用した自動運転車には、事故の減少や渋滞の緩和、ドライバーの人手不足解消等、様々な課題を解決するためキーファクターになる可能性があります。
日本でも、経済産業省が積極的に自動運転に関する取組を行っており、将来的な普及が見込まれています。
本記事では、世界中の自動運転車の導入実態調査を行った事例を五つまとめました。一部の地域ではすでに自動運転バスの商用化が進んでおり、日本の来るべき未来を想像させてくれます。
なお、本記事は一記事にすると長くなりますので、前編と後編に分けてあります。後編も是非お楽しみください。
2. シンガポールでの大型バスの試験走行計画
シンガポールでは、スウェーデンの自動車大手ボルボとシンガポールの南洋理工大が開発する最大80人が乗れる自動運転の電動バスを、2022年に国内3地域で試験運行する見通しです。その試験運行のため運輸省などは17年11月、自動運転車を走行させる東南アジア初の試験場を開設しました。広さ約2ヘクタールの敷地内に信号機やバス停を設置される他、南国の気象条件に対応し、雨天や浸水した道路での走行性を試す区域も整備しています。複数の企業や研究機関が、試験場を活用して開発に取り組んでいるそうです。
政府は、自宅からスマートフォンで呼べる最寄り駅までのシャトルバスや、混雑状況や需要に応じて柔軟に経路を変えられるバスなどの導入も想定しております。また、道路清掃車や運送トラックなどを自動運転車に切り替え、人手不足にも対応したい考えです。
3. シンガポールでの自動運転バスの商用化に向けた試験運行
高速バスや鉄道など交通サービスを展開するWILLERは、シンガポールで自動運転バスの商用化に向けた試験運行を始め、6カ月間自動運転バス1台を毎日無料で運行し、以後は有料で運行する予定です。
運行区間は2019年4月に開園したばかりの国立公園ジュロン・レイク・ガーデンズの園内です。乗客は区間内ならどこでも乗降でき、スマートフォンアプリで乗降地を指定して自動運転バスを呼び出します。
自動運転バスの車両は仏Navya製の電動バスです。15人乗りで最高速度は時速25キロメートルで自動運転レベルは「レベル3」です。運転操作は全自動ですが、車両に安全管理担当スタッフが同乗し、緊急時はスタッフが介入します。
4.エストニアで自動運転バスの試験運行
エストニアのタリンでは、タリン運輸局とタリン工科大学がタッグを組み、 自動運転バスを走らせています。
自動運転バスは、火曜日から日曜日まで午前10時から午後1時までと午後2時から午後4時までの間に運行しているとのことです。午後8時までKumu美術館が営業している木曜日と週末は、夜のシフトがあり、最終スケジュールは需要に応じて調整されます。
タリン市は市民を対象に2013年より市内の公共交通を無償化しているため、市民の本サービスの利用は無償とみられます。
5.中国での無人運転EVバス運行
中国の百度は、自動運転の分野で進めている「アポロ計画」をの一環として、海淀公園にアポロ計画の名前から取られたアポロ小型バス(阿波龍小巴車)を自動運転レベル4でルート走行させています。
阿波龍小巴車は、最高時速40キロですが、園内では約10キロで走行しているとのことです。念の為、バスには監視をするための職員が乗り込んでいるようです。
6.シンガポールの大型植物園での自動運転有償サービス
WILLER株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:村瀨茂高)の在シンガポール子会社である WILLERS PTE. LTD. は、シンガポールの代表的な観光地である「Gardens by the Bay」において、自動運転車両による運行サービスを、10月26日(土)より年間を通して毎日有償にて開始しています。
自動運転技術を備えた「NAVYA shuttle」を二台使用しており、運行時間は毎日10時~21時で、料金は大人5シンガポールドル、子供(3~12歳)3シンガポールドルです。また、安全管理としてセキュリティスタッフが乗車しています。
6.終わりに
以上、自動運転車の導入実態調査の前編でした。
今回の記事で何度か取り上げたWILLER株式会社は日本の企業です。海外で経験を積み、それが規制の多い日本に逆輸入されることを望みます。
後編でも世界中の事例を調査し記事にさせていただきますので。お楽しみに。
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