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目次
1. 本記事の目的
本記事では、本サイトの管理人であるhk5が2017年より試している投資である「クラウドファンディング」について、その仕組みや投資結果を簡潔に感想を述べたいと思います。本記事の対象としては、これからクラウドファンディングを始めたい方や、クラウドファンディングの運営業者、クラウドファンディングを使って資金調達を考えている方全てに参考となるようにしています。
結論として、純粋な投資としてはクラウドファンディングは儲かる可能性が低いです。しかし、事業者とのパーティーでの交流や投資家特典を通して特別な体験を得られるため、もし応援したい事業者がいたら積極的に投資すると良いかと思われます。
2. クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指します。
クラウドファンディングには、大きく分けて三つのプレーヤーが存在します。一つ目は、資金調達者です。法人または個人の資金調達者は、事業計画を作成し、仲介業者と計画を行います。事業によって得た利益は出資者に分配されますが、それは配当金の他、お礼の手紙やイベント参加の権利、商品の贈呈等でも可能です。
二つ目は、出資者です。出資者は、出資したいファンドを選択し、出資金を支払います。仲介業者にもよりますが、出資金と併せ、出資者が購入手数料を支払うタイプもあります。
三つ目は、仲介業者です。仲介業者は、出資者と資金調達者をマッチングするプラットフォームと呼ばれるサイトを運営します。仲介業者には、①購入型②寄付型③融資型④株式型⑤ファンド型⑥ふるさと納税型の6タイプがあります。①購入型は起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を支援し、支援者はそのリターンとしてモノやサービスを得る仕組みです。代表的なサービスには「CAMPFIRE」「FAAVO」「polca」「Readyfor」「Makuake」、朝日新聞社が運営する「A-port」等があります。②寄付型は、起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を寄付をする仕組みで、商品やサービスなどのリターンは基本的に発生しません。代表的なサービスには、「GoodMorning(一部プロジェクト)」「LIFULL Social Funding」「Readyfor」等があります。③融資型は、事業者が仲介し資産運用したい個人投資家から小口の資金を集め、大口化して借り手企業に融資する仕組みです。代表的なサービスには、「CAMPFIRE Owners」「SBIソーシャルレンディング」「funds」等があります。④株式型は個人の起案者ではなく企業がおこなう資金調達の一つで、個人投資家へ未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みです。代表的なサービスには、「エメラダ・エクイティ」「FUNDINNO」等があります。⑤ファンド型は、株式型と同じく企業がおこなう資金調達の一つで、特定の事業に対して個人投資家から出資を募る仕組みです。代表的なものとしては「セキュリテ」があります。⑥ふるさと納税型は、自治体が解決したい課題を具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した人からふるさと納税によって寄付を募る仕組みです。代表的なものとしては、「CAMPFIREふるさと納税」「ふるさとチョイス」「さとふる」「Readyfor」があります。
今回私が投使用したプラットフォームは、ミュージックセキュリティーズが運営する⑤ファンド型の「セキュリテ」です。ファンドの特典にお酒が多かったのと、ファンドのためしっかりとした監査がある点が決め手です。
3. 投資ファンド①和歌山麦酒醸造所三代目 地ビールファンド
まず、ファンドの会計期間が終了し、償還済となったファンドを紹介します。このファンドは個人的にも投資してよかったと言えるファンドです。
本ファンドは、和歌山市内で居酒屋を経営する株式会社吉田が、大手メーカーや他の飲食店ではできない、和歌山の素材を使用し気候風土に合った手作りビール製造のための資金を募集したものです。
まず、償還率が83.27%と悪くないです。償還とは要するに配当のことで、本ファンドは16,654円の配当がありました。これは20,000円の投資に対しての金額となります。実際には手数料で1,600円上乗せされてされているため、21,600の投資で16,654円の償還と4,946円の損です。最後の会計期間は、コロナウイルスの影響をもろに受けていたため、健闘した方ではないかなと思います。
配当に加えて、重要なのは投資家特典です。本ファンドの特典は、一口につき自社製造のクラフトビール6本4,000円相当か、和歌山麦酒醸造所三代目での飲食優待券4,000円分です。
自分は東京に住んでいるため、もちろんビール六本にしました。とても美味しかったです。クラフトビールは高いため、4,946円の損は今回の特典+送料でトントンです。
また、本ファンドの良いところとして、基本毎月の売上報告があり、何が良くて何が悪かったかしっかりと書かれておりました。
4. 投資ファンド②和歌山麦酒醸造所三代目 地ビールファンド
次に、現在運用中のファンドを紹介します。このファンドも個人的にも投資してよかったと言えるファンドです。
本ファンドは、長野県でワイナリーのオープン準備に力を注いでいる「Hikaru Farm」が、日本ワインへの本気度を多くの人に知ってもらうべく今回ファンドを募集したそうです。投資は一口30,000円(内2,000円が手数料)です。
まず、現時点での償還率は7.3%と低いです。しかし、本ファンドは会計期間が5年と長く、ブドウの栽培時からファンドを募集していたため、ワインを市場に出す今後に収益が発生する事業となります。
投資家特典に関しては、大変満足です。本ファンドの特典は、一口につき東京でのパーティー招待と、2022年頃に届く予定の約5600円相当のワインです。ワインはまだ届いておりませんが、パーティーの内容がとても良く、これだけで投資の元は取れたと感じるくらいでした。
神楽坂で2019の12月に、ワインのリリースパーティーが行われました。参加費は一人6,000円でした。
代表の長谷光浩さんです。42歳で大手の音楽系会社を退職し、飲み手からつくり手へ転身することを決断した異色の経歴をお持ちの方です。パーティーの開催中はずっと投資家との交流やワインの説明、食事とのペアリングについてを話していました。私は今までワインに詳しくなかったのですが、少しだけ知識がつきました。
特に凄いのがワインは飲み放題であることです。一本5,000円以上するようなワインも飲み放題であり、沢山飲ませていただきました。一部くせがあり、素人には難しいワインもありましたが、総じて本当に美味しかったです。
また、ビールファンドと同様に基本毎月の売上報告があり、何が良くて何が悪かったかしっかりと書かれておりました。好感が持てます。
5. 投資ファンド③クルミドコーヒーファンド
最後に、もう一つ運用中のファンドを紹介します。このファンドは償還率および報告体制に問題があり、投資金を返還してもらいたいです。
本ファンドは、食べログ・カフェ部門で全国1位ともなった西国分寺駅のカフェである「クルミドコーヒー」が、隣の駅である国分寺駅で、これまでとはまったく違うお店づくりに挑戦するというものです。投資家特典として、一年に一度開催予定の経営報告会への参加や地域通貨の「ぶんじ」、その他、新店オープン前見学会、くるみ収穫応援ツアー等の参加です。
まず、現時点での償還率は会計期間がもう半分過ぎているにも関わらず21.08%と低いです。コロナウイルス発生の前からずっと悪い状態が続いているとの報告があったので、今後どうなってしまうのか不安です。
投資家特典に関しては、正直微妙です。特典の一つである「クルミドコーヒーファンド出資者の集い」に参加してきましたが、それは充分に楽しめました。しかし、開催の頻度が少なく、そういった集まりになかなか参加できません。
また、本ファンドの一番悪い点として、投資家への報告が非常に少ないことが挙げられます。2017年9月の報告を最後に、2020年6月まで投資家に何の音沙汰もありませんでした。報連相は社会人の基本です。
6. まとめ
以上見ていただいた通り、純粋な投資としてはクラウドファンディングは儲かる可能性が低いです。しかし、事業者とのパーティーでの交流や投資家特典を通して特別な体験を得られるため、もし応援したい事業者がいたら積極的に投資すると良いかと思われます。
また、今後クラウドファンディングを使って資金調達を考えている方は、投資家への報連相をマメに行うようにしてください。投資家もクラウドファンディングで儲ける気はさらさらないため、報連相さえしっかり行えば問題は出てこないと思われます。
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