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目次
1. 本記事の目的
新型コロナウイルスが各地で猛威を振るっています。
ニュースや新聞記事は、連日世界中のコロナウイルスの報道ばかりです。
8/1の発表では、東京の陽性者数が過去最多の472名に急増したとマスコミに報道されたことで、国民に不安の声が広がっております。現在も東京都では100名超の陽性者数と連日報道されており、混乱の収拾がつきません。
さて、この「感染者数」という数字で東京都のコロナウイルスの脅威を測定することは、正しいことなのでしょうか。
本記事では、コロナウイルス新型コロナウイルスに関する東京都の公表を、感染者数だけで報道するのはなぜ怖いのか?について、過去の記事の情報に加えて考察を書いてみます。
なお、本記事はコロナウイルスの危険性を検証するものではございません。
2. 東京都が報告している数値
東京都では、新型コロナウイルス感染症対策サイトにて陽性率や検査数を日々報告しています。
ここで解釈が難しい点は、検査数という数字であります。実は、検査数が増えたという解釈は正確ではないのです。
最近の検査数の増加は、公表範囲に含めていなかった医療機関による保険適用での検査実績を含めるという基準が追加されたためです。そのため、基準変更の前後で増減を比較することはできません。
ここで言えることは、東京都が基準を変更してしまったため、「検査数」という数値は過去と比較できないものになってしまった、ということです。
3. 感染者数と陽性率
先ほどの章で「検査数」は過去と比較できない数値になってしまったと申し上げました。それでは、感染者数と陽性率はどうでしょうか。
感染者数は文字通り、検査の結果としての陽性判明数(PCR・抗原)のことを指します。
ただ、この数値に何の意味があるのかわかりません。
連日マスコミが報道している感染者数には、「検査数」という非常に大切な数字が抜けて報道されています。要するに、分子のみ報告しており、大切な分母が抜け落ちています。これは、不安を煽る報道を行うと視聴率が上がるため、わざと行っていると思われます。
この感染者数という数値のみでコロナウイルスの危険性は測れないということを、お店での卵の管理を例として説明します。
「店員A:店長すみません。卵を10個もだめにしてしまいました(1,000個中)」「店長:何やってるんだ!俺が管理している時は5個以上だめにしたことが無かったぞ!(50個中)」「店員B:自分は今日3個しかだめにしてない。自分が一番優秀だな(10個中)」。
この話を聞いて、店長と店員Bがお角違いと分かります。
ちなみに店長や店員Bは、兵庫県知事に当たります。
ちなみに、陽性率はどうでしょうか。東京都によると、陽性率は、「陽性判明数(PCR・抗原)の移動平均/検査人数(=陽性判明数(PCR・抗原)+陰性判明数(PCR・抗原))の移動平均」で求められます。
しかし、この陽性率という数値にも欠陥があります。
最近では、新宿や池袋のクラブ等の夜の街関連でのPCR検査や受診相談が増えているため、それ以前と比較する際に検査する人の背景が全く揃っていないのです。そのため、陽性率だけでコロナウイルスの危険性を考えるのは早計です。
一応過去の情報である7/29時点の数値と比較すると、1.1%も下がっております。第二波の始まりだ、と騒がれていた7/12時点の数値と比較しても、0.6%下がっております。検査する人の背景が全く揃っていないためあまり参考とはなりませんが、陽性率だけで比較するとここ一カ月の状況は変わっていないと言えます。
4.コロナウイルスの危険性の測定には、どのような調査が必要であろうか?
それでは、コロナウイルスの危険性を測定するにはどのような調査が必要か、私の意見を述べます。
私の意見としては、実現性の問題を抜きにして「地域別に確率的サンプリングに行った上での陽性率」を測定するのが良いかと思います。
確率的サンプリングとは、確率の法則に任せて選ばれたサンプルのことを指します。これにより、場所や対象者といった人間の恣意的な判断や主観を排し、
ランダムに選ばれた「部分」から得られた情報にもとづいて「全体」の特徴や傾向を推測することにあります。これにより、各地域ごとのコロナウイルスの陽性率が正しく測定できます。
本来は全数調査が正しいのかもしれませんが、コストや実現性を考えて難しいと思われます。
以上、私の意見を述べました。どちらにしろ、早くウイルスが終息してほしいです。
なお、重ねて申し上げますが、本記事はコロナウイルスの危険性を検証するものではございません。
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