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目次
1. 本記事の目的
世界には多くのMaaS(Mobility as a Service)アプリがあります。
MaaSアプリとは、現在地から目的地までの移動手段を一括で表示できるものとなります。
今までは、電車の乗り継ぎは路線案内のアプリを使用し、レンタカーを借りた場合はカーナビゲーションからの指示で目的地まで向かっていました。しかし、これでは最適化された移動手段やルートがわかりませんでした。そのため、利用者の利便性を考え、日本でもMaaSアプリが続々とリリースされると考えております。
今回は、スイス連邦鉄道が運営する交通ナビゲーションアプリである「SBBmobile」を取り上げ、利用方法を調査してきました。
2. SBBmobileの概要
スイス連邦鉄道は、都市間路線、通勤路線、貨物輸送のサービスを行うスイス連邦の国有の鉄道事業者です。スイス連邦のほぼ全域に路線を有し、利用客は一日当たり約132万人となっています。設立は1902年で、歴史のある企業です。
「SBBmobile」は、スイス連邦鉄道が運営する交通ナビゲーションアプリです。SBB Mobileは、乗客は列車の乗り換えを検索し、そのままチケットを購入できるアプリであり、利用者は一か月あたり300万人を超えます。現在は、 SmartWayというアプリを介し、新機能のテストを行っているようです。
3. SBBmobileの開発背景
2014年4月、SBB E-Businessの責任者であるOlivier CornetがGinetta社にアプローチし、「SBB Mobile App」を再設計するプロジェクトを開始しました。
Ginetta社はスイスのチューリッヒにある企業です。デザイナーや、研究者、開発者を有し、デザインの優れたウェブサイトやアプリを製作しています。
わずか8週間で、 Ginetta社は新しいアプリケーションのインタラクティブなコンセプトとビジュアルデザインを製作した。アプリのコンセプトはGinetta社が大半を考案したようです。2015年11月のパブリックプレビューで製品が最初にリリースされるまで8か月間、 Ginetta社は「SBB Mobile App開発プロジェクト」の一員として取り組みました。現在は、 Ginetta社が引き続きアプリのフォローアップを行い、機能の追加や不具合の解決を行っていると考えられます。
2019年8月には、 SBBとAxon Vibeが、最先端のアプリケーションを開発するために5年間の提携契約に署名しました。Axon Vibe社とは、スマートモビリティと人工知能に強みを持つアプリ開発の企業です。スイスのルツェルンに本社を置き、英国、香港、米国にオフィスを構えています。 同社のチームには100人の従業員が含まれ、高度な資格を持つソフトウェアエンジニア、データアナリスト、心理学者、通信スペシャリストが在籍しています。また、Axon Vibe社は、スイスの民間および機関投資家から資金提供を受けています。
そのアプリでは、車、自転車、路面電車、電車、さらにはe-スクーターといった多様なモビリティを、移動者の個々のニーズに合わせて簡単に組み合わせ、提案することが可能です。SBBはスイスでこの新しいソリューションを実装し、世界的に展開する予定です。
2019年12月には、提携により開発された「SmartWay」のテストバージョンがリリースされました。2020年1月には、ユーザーが一つのアカウントまたは支払い方法でサービスを予約して使用できる機能を実装する予定です。最終的には、 SmartWayの機能がSBB Mobileに組み込まれるようです。
4. SBBmobileの機能一覧
①Touch timetable
スワイプするだけで、出発時刻と到着時刻をタッチ時刻表に接続し、必要な時刻表を照会できます。最も頻繁に使用する目的地を個人的な画像のタイルに保存して、独自のタッチタイムテーブルを作成できるようです。
②Buy tickets more easily and efficiently
クリックするだけで、スイス国内のどこでもチケットを購入できます。また、スーパーセーバーチケットとセーバーデイパスを使って、お得な料金で旅行を楽しめる機能もついています。加えて、SwissPassのトラベルカードが適用できる他、チケットを購入するときのために、友達、パートナー、家族全員をアプリ自体に同乗者として保存できます。
③EasyRide
自動発券によりチェックインや乗り降りができる機能です。移動したルートに基づいてユーザーが利用した交通サービスをアプリで自動判別し、「最低価格」で事後発券することができます。
④Your digital travel companion that also helps with transfers
チケットを購入すると、関連する旅がホームページに保存されます。旅の途中で、遅延や乗り継ぎ時間に関する情報が更新されます。
⑤SwissPass Mobile
SBB Mobileを開いて、SwissPassMobile画面をチケット検査担当者に表示することで、簡単にチケット検査を済ませることができます。
5. SBB Mobileの決済方法
メイン画面より、出発地と目的地を入力します。
SBB Mobileチケットの支払い方法は、五つ実装さています。
①毎月の請求書(口座引き落とし?)
②TWINT(スイスの非接触決済システム)
③PostFinance Card(Swiss Postの金融サービス部門が手掛けるカードでの決済サービス)
④Reka-Card(Swiss Postの金融サービス部門が手掛けるカードでの決済サービス)
⑤Credit card
以上、SBB Mobileのアプリ利用調査でした。個人的な感想としては、「最低価格」で事後発券や家族の登録等、他のアプリと比較して一歩進んだ印象を持ちました。
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