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目次
1. 本記事の目的
本記事では、伊豆七島への旅客業務を主に行う東海汽船(9173)という企業について簡単に触れた後、2020年6月に新たに就航した三代目「さるびあ丸」の乗船レポートと合わせて本銘柄の将来性について考えます。
結論として、伊豆七島の観光ポテンシャルはとても大きく、三代目の「さるびあ丸」は、二代目と比較して桁違いに快適性が増していることから、将来性はあります。そのため、コロナウイルスの早期終息およびインバウンドを含めた観光客数の復調が成長の鍵となります。
2. 東海汽船とは
東海汽船とは、明治22年に設立されてから130年間主に伊豆七島への総客を中心とした海運関連事業を行う、歴史ある企業です。従業員は349名で、その他事業に商事料飲事業やホテル事業、旅客自動車運送事業を行っています。ちなみに、最近大学生を中心とした若者の間で流行っていた東京湾の納涼船は、この中の商事料飲事業に当たります。
直近2019年12月期の売上高は前年同期比3%減、営業利益は赤字転換、当期純利益が83%減少と、非常に厳しい結果となりました。これは、昨年に立て続けに起きた台風の被害や、納涼船の不振が主原因と思われます。また、投資キャッシュフローが営業活動キャッシュフローの約7倍もあり、不足分を財務キャッシュフローで補っている状態ですが、これは新しい船舶への投資分と考えられます。
また、2020年6月末をもって、レストラン事業から完全に撤退しております。レストラン船の老朽化が進んで整備費用が増加していたところに、新型コロナウイルスの感染拡大で客足が急減し、損失が膨らんでいたようです。
3. 東海汽船の株主優待
あまり知られていませんが、株主優待は非常に手厚いです。毎年12月末および6月末の100株以上ご所有の株主に株主乗船割引券および株主サービス券を発行しています。特に株主乗船優待券は、東海汽船の全航路の全等級について、お一人様乗船一区間乗船割引券1枚にて所定運賃の35%引(7月、8月のご乗船は25%引)となります。
これは、東海汽船で一番高い運賃である東京から八丈島区間の特等26,710円に適用すると、9,348円の割引となります。2020年の7月末現在が2,250円のため、一枚だけでも最大4%から5%の利回りと高還元の株主優待となります。
4. 新さるびあ丸のレポート
前述の通り、東海汽船の主事業は海運関連事業であり、その事業を行う上で一番重要な設備と言える船舶の快適性や充実度が、顧客の満足度を上げる上で最も重要となります。そのため、2020年6月に就航した三代目「さるびあ丸」の乗船レポートを行い、東海汽船の成長性を探ります。
まず、三代目「さるびあ丸」を一言で表すと、めちゃくちゃ綺麗で快適!です。
二代目「さるびあ丸」は何度も乗船したことがありますが、お世辞にもあまり綺麗とはいえませんでした。
まず、客室は2等から特等まで6種類のタイプがあります。
私は今回、特二等に乗船しました。
この特二等のいう客室、まるでカプセルホテルのような居心地でした。真ん中に階段があり、それを二つの二段ベッドで挟むような部屋となります。4人組で行く場合には、グループでのプライベート空間が確保されており、快適な船旅になること間違いなしです。
個別の部屋には充電用のコンセントや貴重品用のロッカーもしっかりついております。
スーツケースや釣り竿の収納スペースも、各所にあります。
たまに寒い部屋があります。毛布を購入する場合は、各階の券売機で券を購入し、四階の窓口へ持っていきましょう。
肝心の水回りですが、トイレは非常に綺麗でした。
ドライヤーも完備しています。
今回の三代目「さるびあ丸」は、フロアが六階に分かれております。三代目にはなんとエレベーターがついており、展望デッキやレストランから客室までの移動が大変楽です。
六階にはレストランおよび展望デッキがあります。レストランでは、伊豆七島の名産である明日葉のカレー等が置いてありますが、料金はそれなりです。
喫煙所は六階にあります。
ちなみに展望デッキは夜ライトアップされるため、謎のロマンチック感を演出しております。二代目の「さるびあ丸」では、このようなライトアップはありませんでした。
三代目の「さるびあ丸」、最高ですね。これなら10時間でも20時間でも乗っていられます。とにかく水回り環境の改善が良かったです。
私自身、東京の島のポテンシャルは大きいと感じております。東京の本島とは違い、美味しいごはんに豊かな自然があり、沖縄の本島に行くよりリーズナブル且つ楽しいと思います。三代目「さるびあ丸」での快適な船旅を前面に押し出し、伊豆七島のポテンシャルが上手く伝われば、関東近郊の旅行需要を大きく取り込めると感じています。
5. まとめ
伊豆七島の観光ポテンシャルはとても大きく、加えて三代目の「さるびあ丸」は、二代目と比較して水回りを中心に桁違いに快適性が増していることから、関東近郊の旅行需要を大きく取り込むことによる東海汽船の将来性は高いと考えております。そのため、コロナウイルスの早期終息およびインバウンドを含めた観光客数の復調が成長の鍵となります。
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