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目次
1. 本記事の目的
本記事では、MaaS事業に力を入れているヴァル研究所という企業の、最近のMaaSの取り組みについて簡単に説明します。
ヴァル研究所のMaaS事業全体的な傾向としては二つあります。一つ目は、2020年2月頃までは自治体の実証実験や本格導入に参画してましたが、コロナ発生以降は停滞しているということです。二つ目は、最近の動向として、SAPジャパンとのシステム連携や博報堂との業務連携等、機能を切り出して提供することが増えていることです。
2. ヴァル研究所とは
株式会社ヴァル研究所は、1976年7月26日に創業した企業で、「経路検索」というアプリを運営する企業です。資本金は4,100万円の企業で、2019年度の営業収益は22億円です。従業員数は2019年7月1日現在で159名となります。
3. ヴァル研究所のMaaS施策①:「mixway(ミクスウェイ)」の機能追加
2020年7月27日に、複合経路検索サイト「mixway(ミクスウェイ)」において、密を避けた移動ができるシェアサイクル向けの検索補助機能「自転車の利用距離の設定」「シェアサイクル利用経路だけ探す」をリリースしました。
これは、「自転車の利用距離の設定」は自転車の利用距離の上限を設定できる機能であり、1km〜10kmまで1km単位で選ぶことができます。なんと、その時の天候や利用者個々人の状態・状況により距離を設定することができます。「シェアサイクル利用経路だけ探す」は、経路検索時に本機能のボタンをワンタップすることで、シェアサイクルが利用できるかどうかがわかるものです。
4. ヴァル研究所のMaaS施策②:企業との業務提携加速
ヴァル研究所は企業との業務提携を加速しており、2020/6/29には博報堂と地域の移動課題、社会課題の解決を目的とした新たなMaaS開発を目指し、業務提携契約を締結しました。今回の業務提携では、サービス開発において、博報堂のサービスデザイン力と、ヴァル研究所のシステム開発力を掛け合わせ、生活者にとってより良いMaaSの開発を目指します。
また2020/6/5には、SAPジャパン株式会社のHXM(Human eXperience Management)事業においてパートナーとなりました。連携システムは、SAPジャパンのクラウド人事システムと、ヴァル研究所の通勤費管理・申請システム「駅すぱあと通勤費Web」です。
5. ヴァル研究所のMaaS施策③:実証実験への参加
近畿日本鉄道株式会社が6駅で実施する「AIを活用したお客さま案内デジタルサイネージの実証実験」に、経路検索API「駅すぱあとWebサービス」を提供しました(2/19)。「駅すぱあとWebサービス」は日本語、英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語、タイ語に対応しており、本実証実験の案内AIデジタルサイネージに活用いただくことで、さまざまなお客様からのお問い合わせの回答・案内の支援を行います。
また、ヴァル研究所は小田急電鉄株式会社と東日本旅客鉄道株式会社と協力し、 「立川おでかけアプリ」を用いた立川駅周辺エリアにおけるMaaSの実証実験を行いました(1/31)。
6. ヴァル研究所のMaaS施策④:ロケーションシステムへの機能採用
群馬県の「バスロケーションシステム実証実験」に、ヴァル研究所の提供するロケーションサービス「SkyBrain」が採用されました(2019/11/28)。これにより、バスロケーション情報をサイネージや専用Webページで公開でき、利用者は最新のバス情報を外出先でも手軽に確認することができます。
また、富山県地域において県全域の路線バス・公営バスの位置情報や運行状況を提供する「とやまロケーションシステム」に、バスロケーションシステム構築のパッケージサービス「VTM(Val Transfort Manager)」が採用されました。本サービスには、ヴァル研究所の提供する「VTM(Val Transfort Manager)」が採用されます。
7. ヴァル研究所のMaaS施策⑤:エムティーアイ「乗換MAPナビ」に新機能採用
経路検索API「駅すぱあとWebサービス」で利用可能な「定期区間控除」「鉄道運行情報の影響区間」が、株式会社エムティーアイの交通情報総合ナビゲーションアプリ「乗換MAPナビ」の新機能開発に採用されました。 「駅すぱあとWebサービス」の「定期区間控除」は、経路検索時に、事前に登録された定期情報をもとに定期券区間の運賃を控除することができる機能です。
また、「鉄道運行情報の影響区間」は運行情報が発生・影響している区間のみを示し、運行情報とその影響範囲をより正確に案内することができる機能です。「鉄道運行情報の影響区間」と「路線図」の組み合わせは「乗換MAPナビ」が初めての活用事例となります。
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