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目次
1. 本記事の目的
本記事は、なぜ日本の若者は消費をしないかを論じます。結論として、日本の若者が消費をしない理由は、政府の支出増加に対応した増税による可処分所得の減少が進んでいるからです。
本記事の構成は、まず日本の一般会計歳出入データを分析し、税収でなく支出で政府予算とのバランスをとっていることが日本の借金の増加原因であることを示します。次に、社会保障費等の増加による勤労者世帯の可処分所得の減少という事実より、なぜ日本の若者が消費をしないかという結論を示します。最後に、結論の問題に対する解決策として、消費増税により政府予算とのバランスをとる北欧型の社会保障制度導入を私は主張します。
2. 日本の一般会計歳出入の構成
まず、日本の平成三十年度一般会計歳出入の構成より日本の借金の増加原因を分析します。
一般会計の歳出側で注目すべき点として社会保障費が挙げられ、社会保障費は歳出金額の約34%を占めています。無駄な税金の使い道としてメディアで取り上げられている公共事業や防衛費に比べても金額がはるかに大きいのです。
また歳入側で注目すべき点は、公債金による収入が約35%を占めていることです。したがって、平成29年度末の普通国債残高が800兆円を超えてしまっている大きな原因は、社会保障費による支出を公債金による収入に頼り切っていることが理由であると分析します。何人かの有識者は、将来の経済成長やインフレを考慮すると国債残高の増加が大した問題でないと論じている。しかし、政府の歳出が税収による収入を毎年大幅に上回っていることは、どう考えても異常事態です。
異常事態が起きている理由は、日本政府が税収でなく支出で政府予算とのバランスをとっているためです。高齢化により歳出で大きな割合を占める社会保障費の大半を占める医療費と年金が増加したため、日本は歳入の不足分を国債の発行で付け焼刃的に対処している状況なのです。
3. 若者が消費しない理由
次に、日本の若者が消費をしない理由を考えます。メディアでよく取り上げているとおり、若者が消費しない理由は諸説あります。
しかし、若者が消費をしないことに関しては根本的な理由があります。その理由は、可処分所得の減少です。総務省統計局の家計調査によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の可処分所得(収入-支出)は、2000年から2018年にいたるまで一時的な変動を除き下げ基調です。
可処分所得減少の一番の原因は、社会保険料の増加にあります。若者世帯は勤労者世帯の中でも収入が少ないため、社会保険料増加による可処分所得の減少は消費の抑制へとダイレクトにつながるのです。これこそが、日本の若者が消費をしない本当の理由です。
4. 主張
最後に、支出でなく税収により政府予算とのバランスをとるべきであると私は主張ります。
具体的な施策として、私は北欧型の社会保障制度の導入を挙げます。北欧型の社会保障制度の特徴は、消費税等の税金が非常に高い反面、福祉サービスや医療制度、セーフティーネットが非常に充実している点です。日本も北欧の税水準にならい、消費税を現行の約三倍にすると、税収は単純計算で約35兆円程度増加することとなります。この金額は、「社会保障費」を上回る金額であり、社会保険料を減らすことが可能となるのです。
社会保険料が減ると、若者を含む勤労者世帯の消費が促進され、現状より経済が活性化すると私は予測します。また年金受給者には、支出を減らし国債を早期償還するため、年金受給額の大幅な減額を覚悟していただきます。
借金まみれで若者が消費をしない国に明るい未来はないと、私は日本に警告します。
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